近江商人の「商売十訓」を読むべき理由

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「商売の基本や基礎って何?」と思っている方は、ぜひお読みください。

私は20年弱フリーランスとして個人で商売していますが、これだけ長く続けられたのは、商売の本質とは何なのかを追求しようと学びながら実践してきたからです。

商売十訓は、誰にも教えたくないレベルの物凄く有益な知恵の結晶です。

近江商人といえば「売り手よし、買い手よし、世間よし」の三方よしでお馴染みですが、商売の基本中の基本とも呼べる素晴らしい教えが残っています。
このような考えを身につけておくことこそ、人に喜ばれる商売が長続きする秘訣です。小手先のことを学ぶよりも、ずっと有益なことに気づくはずです。

商売は、お金と価値を交換する行為ですが、その一言で表せるほど単純なものではなく、人の心を動かさなければなりません。時代がかわっても人の心はかわらない。つまり基本はかわらないのです。

意外とみんな知らない商売の基本。詳しく知りたい方は、ここから先もお読みください。

目次

商売十訓の内容と解説

まず最初に身近にあった具体的な事例を紹介します。
去年、某家電量販店で冷蔵庫を買ったのですが、ある日に冷凍庫が機能しないことに気づき、冷凍保存していたものが溶けていきだしました。
お店に電話したところ、瞬く間に無料保証の対応してもらい、その日のうちに新しい型の冷蔵庫に取り替えてもらいました。

高額商品ですから、もっと慎重に修理の見積もりなどが必要なのかな?と思いましたが、商売十訓の三つ目の教え「売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる」そのままだなと感心しました。

某家電量販店は、価格訴求型の売り方で拡大した会社ですが、こういうのちゃんとやってるんだなと感じた。

無知だっただけで、知らず知らず浸透していたのだな、とも思った。

  • 一.
    商売は、世の為、人の為の奉仕にして、
    利益はその当然の報酬なり


    解説:商売は、自分のためではなく、お客さんのために行うことが社会のためになり、利益を得られる。自分の利益を優先すべきではない。十訓の中で、これが一番優先すべき大事な考えです。
    お金儲けをするとき人は利己的になりがちですが、自分より相手のためにという利他的な考え(GIVEの精神)が必要です。
  • 二.
    店の大小よりも場所の良否、
    場所の良否よりも品の如何


    解説:商品>場所>店の規模
    人は欲しいものがあるから買い物に出かけるのであって、良い土地や立派な店舗へ行くために買い物をするのではない。
  • 三.
    売る前のお世辞より売った後の奉仕、
    これこそ永遠の客をつくる


    解説:売る時より、売った後も丁寧にサポートすることが、大きな信頼を得られる。
  • 四.
    資金の少なきを憂うなかれ、
    信用の足らざるを憂うべし


    解説:商売はお金よりも信用第一、ということ。
  • 五.
    無理に売るな、客の好むものも売るな、
    客の為になるものを売れ


    解説:お客さんが本当に必要なものを売ることが本質。
    騙したり、媚びたりしてはいけない。
  • 六.
    良きものを売るは善なり、良き品を
    広告して多く売ることはさらに善なり


    解説:宣伝の本質は、本当に良いものだから宣伝して多く売るべきということ。
  • 七.
    紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、
    つけてあげるもののないとき
    笑顔を景品にせよ


    解説:ちょっとしたことでもお客さんが喜ぶことで付加価値が生まれる。
  • 八.
    正札を守れ、値引きは却って気持ちを
    悪くするくらいが落ちだ


    解説:値引きをしなくても、正規の値段でいかに売ることを考える。
  • 九.
    今日の損益を常に考えよ、
    今日の損益を明らかにしないでは、
    寝につかぬ習慣にせよ


    解説:常に儲かっているか儲かっていないかの損益を把握して危機感を持つこと。
  • 十.
    商売には好況、不況はない、
    いずれにしても儲けねばならぬ


    解説:どんな状況でも、状況に応じて利益を出しつづけなければならない。常にいろんな状況を想定しておかなければならないということ。
    悪いことに手を染めてでも儲けなければならない、というわけではない。

このように、どれもこれもハッとするようなことが書かれています。

時代を超えた商売の真髄

ただ読むのではなく、書いてあることを自分のこととして、当てはめてみましょう。

たまにこれを読み返していますが、そのたびに私はこのような反省をしています。

世のためじゃなく、自分のための仕事しようとしている(一)
客の好むものを作ろうとしている(五)
ついつい客の顔色を伺って値引きしようと頭をよぎる(八)
確定申告の時だけにか、損益を明らかにしていない(九)
仕事が少ない時、愚痴る(十)

こんな具合で、いつも何らしか当てはまるのです。

昔の人は賢い。人間の弱さをわかって向き合っている。
いつの時代でも通用する商売の真髄です。

自分で商売をやりたい人のために

ところで家庭や学校や会社で誰も商売のイロハを教えてくれません。
なぜでしょう?
このような素晴らしい実学を、義務教育などで習わないのか不思議でなりません。

実際に私は自営業で20年程やってきましたが、誰も何も教えてはくれませんので、自分で商売をしながら学ぶしかなく、かなりの無駄な時間をロスしてしまいました。

人生は長いようで短いので、正しい方法や考えを早い段階で身につけておくべきです。
もし時間が戻せるのなら、自分なんて所詮は凡才でポンコツだと割り切って「近江商人の商売十訓」を教科書として最初からやり直したい、とすら思っています。

いつか自分で商売をやりたい!という意欲的な若い人たちが、この記事をきっかけで「近江商人の商売十訓」を知って商売繁盛してくれることを願っています。そして、後世にも継承していけたらと思います。

私はマーケティングを学びましたが、それよりも前に、まずは商売の基本を学びましょう。
どちらもセットで学ぶことで、ブレない強い思考力を持つことができるでしょう。
現代の資本主義経済という世の中で、どちらも生きていくために必要な知識です。

もしこの記事で興味をもってくださった方のために以下の「商売十訓」の書籍を紹介します。

困った時は、基本に帰りたい。
その時「基本って何?」とならないよう、何度も読み返しておきたい書物です。

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