ITフリーランスはやめとけ?起業して20年続けられた非常識な方法

フリーランスは、どうやって仕事を取るんだろう?
独立しても食べていけないのでは?と不安…

商売は、ドラクエとか人生ゲームのようなものです。
自分の人生と他者の人生の関係性の中で、モノや技術を売ったり買ったり、仲間を作ったり、客と関係性を育んでいったりします。
お金を稼ぐことは楽ではありませんが、ブラック企業の社畜として人生の大半を過ごすような生き方に、疑問を持っているような人に読んでもらいたい。

どうやったらフリーランスが開業して仕事を取っていけるのか?
この記事を読むとフリーランスを長くやっていくために必要な、商売の基本的なノウハウを知ることができます。

WEB制作、デザイン業のようなBtoBのような職種は、0→1が大変な商売です。
しかも、顧客と知り合う受注前の段階から入金まで非常にロングタームでもあるので、人脈がなかったりノウハウを知らないと確実に苦戦します。
フリーランスについて、以下のような統計があります。

個人事業で創業した場合、なんと創業者の約40%が1年未満に脱落している。
3年目をクリアして、5年後まで継続できる人はわずか約25%。
創業から5年で、4分の1にまで減少してしまう。
そして、10年後まで生き残っている人は10%にすぎない。

https://biz.moneyforward.com/blog/14972/

フリーランスでは食べていけないと言われるのも納得の統計です。

でも、仕事をとる方法がわかってさえいれば、脱落する人はかなり減るはず。
なぜなら、私のような営業経験なしでもフリーランスを20年以上続けられているからです。
無知であったなら、無謀な戦いになっていたでしょう。

しかもフリーランスになってから、サラリーマン時代より何倍も稼げるようになりました。
(注:会社員のデザイナーは給料が安いので)
「フリーランスなんてやめとけ」と言う人もいますが、本人の才覚次第では月100万円、200万円を超える報酬を得ることも可能な世界です。(自分は月200万円くらいが最高でした)
今まで仕事がとれなくて、アルバイトで凌いだ経験はないし、月の売上が0になったこともありません。

本質的な商売のノウハウなんて、会社や学校で手取り足取り誰も教えてくれませんので、わたしが起業した話を読んでもらえたら、少しは参考になるかと思います。

昔と違って、xhoursのような案件ダイレクトスカウトという便利なサイトがあり、企業の担当者が経歴や希望条件を見てスカウトしてくれます。例えば、Webデザイナーの実務経験3年以上と制作基本スキルで45〜55万円の好条件の仕事もあり。

「ITフリーランスなんてやめとけ」とよく言われますが、自力で営業しなくても仕事はあります。

目次

フリーランスのデメリット

  • 売り上げを自分で作らないといけない
  • 収入が不安定
  • 将来が不安
  • 立場が弱いことをいいことに、意地悪をされることがある
  • 帳簿をつけたり、確定申告をやらないといけない

フリーランスのメリット

  • 通勤がない
  • ゆっくり寝ていられる
  • 面倒くさい会社内の人間関係から自由
  • 自分の力で世の中を渡っていっているという自負心を持てる
  • 暇な時は、昼間から酒を飲んだり、銭湯に行ったりもできる
  • 自分で0→1から事業を起こしたという大きな成功体験を持てる
  • 商売とはどんなことか全部自分の体験として学べる

子供の頃から朝が弱く、出勤から自由になれるフリーランスという生き方に魅力を感じていました。
サラリーマンだった頃は、朝の満員電車の通勤(田園都市線)が地獄のようでした。

実際にフリーランスをやってみて感じているのは、朝ぐっすり眠ることや収入の多い少ないとかよりも、人間関係のストレスから限りなく自由になれることが最大のメリットだと感じています。

つまり嫌いな人との仕事を断る自由を手に入れられます。
お金を得ることよりもこっちのメリットが大きいと感じています。

デメリットよりメリットが上回っていると思った方だけ、この先もお読みください。

仕事の取り方

フリーランスという商売とは

商売とは、単純にいうとお金と価値を交換することです。
フリーランスとして最初の大事な一歩は、あなたの提供する価値がお金に変えられるのか?
それをお客さんが納得できる価格で交渉・取引して、あなたの生活が継続して成り立つのか?

もし頑張っても売れないのであれば原因は、
・フリーランスでやっていくのが難しいジャンル
・認知されるための活動や営業が弱い
・商品力・力量が足りない
そんなところでしょう。人は何に対してお金と価値を交換してくれるのか?ということを常に考えておきます。

その時代に求められている業種であれば、ぶっちゃけ仕事をとりやすいです。
そして、時代によってお金になる技術というものは変化していくものなので、それを感じとっていけるようになりましょう。
常にアンテナを張っておけば、自然と感覚は身についていきます。

フリーランスとは自分=商品です。
商品力が足りない場合は、まずは自分の能力を高めるためには、自己投資をすることです。
自己投資することで商品力を高めることができます。
商品の品質が高く、お客様に価値を感じてもらえれば、買ってもらえます。

最初は、綺麗事なしで自分が食べていけるだけ稼ぐことが目標です。
理想のウェブサイトとは?顧客満足度が…みたいな立派な理想を掲げても、現実的にその前に自分が食べていけなければなりません。
文句言わず、淡々とこなしていきましょう。
相手が自分に望んでいるものは品質だけではありません。納期に間に合わせるだけだったりさまざま。
こうやって地道にこなしていけば、食べていくだけの収入は得られるようになってきます。

自分がやりたいことがあるから、フリーランスになるというのは正しくありません。
自分がやりたいことでも食えなかったら、フリーランスにならない方がよいです。

食っていけるかどうかの短期決戦を最初にしなければなりません。

実現するのに、私は3年かかりました。
ちなみに最初の一年目で食べていくだけの必要な収入を得て、2年目は顧客のネットワークを広げることに努めて売り上げは落ち、3年目で蒔いた種が花開き売り上げが倍増して、商売のノウハウを体で得た感じです。
石の上にも三年といいますが、何かを成すには3年かかるということですね。

受託制作で食べていけるようになったら、そこからは嫌な仕事を断ったりするのも自由。
食べていけるくらい稼げるようになったということは、最低限の自由を勝ち取ったようなものです。
そこまで到達するのに得た経験は、何事にも変え難いものです。

ゼロからのスタート

ウェブデザイナーとして事業開始の初期の頃は、自分の家族、親戚、友人、知り合い、所属してた会社の仲間など、知っている人に片っ端にフリーで仕事はじめましたと挨拶し、自分が何をできるのかを教えました。

信用がゼロの状態ですから、自分のことを知っている人であれば話くらい聞いてくれるだろうという、わずかな可能性に賭けてみました。人間は追い詰められた時にしか本気で行動しないものです。
フリーランスのスタート時点は、誰もが追い詰められた状況であるはずです。
ここで本気で行動できるかできないかで未来は大きく変わります。
最初は泥臭く自分を宣伝していく覚悟を決めましょう。

1円の売り上げも作れないで、フリーランスを廃業する人もいるくらいです。
待っていても何も起こりません。とにかく行動しましょう。

信用はゼロでしたが、ウェブサイト制作キャリアは3年ほどあり、ポートフォリオを褒められたりして、仕事をお願いしたいと言ってくださる方がポツポツと出てきました。

この時、切実に感じたのは、たったの1円の売上だとしても、自分ひとりで行動を起こして売上を作るのって大変なんだなということ。そこに至るまでの過程の自己投資や設備投資など、0→1にするには大きなパワーが必要です。

私は自分から「仕事ください、お願いします!」と言ったことが一度もありません。
仕事というものは、押し売りするのではなく、お客さんが自らの意思で選ぶことだと思っているからです。
自分もそうされたくない(売り込まれたくない)から、押し売りみたいなのは相手にしません。
「何かあったら声かけてください」とかは言いますけが、押し売り的なことは一切しません。
その上で、私の力が必要な方には誠意を持って仕事させてもらうというスタイルです。

人脈と信用があれば、売り込み型の営業をしなくても大丈夫です。
無理な売り込みをすると人が離れていくので、自分の商品力を高めることが重要なのです。

どうやって自分を売り込むのかというと、自分には何ができて、どういう人間か?ということを、わかりやすく表現して伝えるするだけです。
ポートフォリオを見てもらう、他愛のない会話を交わして、食事やお酒を飲みに行く約束を取り付ける、話して意気投合…そんなもんです。

仕事を受託したら、あとはGIVE&GIVEで自分の全能力を使い誠意を尽くして対応しましょう。

とはいえ最初の頃は、値段が安いとか、ブラック企業の仕事など、条件の悪い仕事ばかりでした。
お金を騙されたり、支払いをわざと遅らせられたり、納品できずに1年も案件を保留されたり、、、などの酷い仕打ちを受けたこともありますが、その時はカンカンに怒っていましたが、振り返ると人間のズルさを知るいい経験でした。

それでも食べていけるようになるまでの辛抱だと割り切って、粘り強く値段が安かろうか面倒臭い客だろうが、ガムシャラに受注しまくってました。

ここで大事なのは、場数をこなすことです。
制作経験の場数だけじゃなく、お客さんとのやりとり、相手が何を考えているのか?何を欲しがっているのか?を読み取ったりする経験も含めての場数です。
お客さんはクオリティだけを求めているわけじゃなく、スピードだったりもします。
早く作れるスキルができてくれば、おのずと品質が向上していきます。

初期のうちはローギアで回転数上げて走りましょう。
ここでガムシャラに頑張って技術と経験を手に入れたら、自然と仕事が集まってくる状態になっていきます。

同時に人脈が広がっていきました。
ありがたいことにブラックじゃない良質なお客さんとのパイプができてきました。
一生懸命やって、喜ばれる仕事をしていると、人が人を呼ぶという最強の流れが発生します。

自由業のフリーランスという仕事というのは、小売業や飲食業のような業種と違って、なかなか仕事が動きません。
打診されたけど立ち消えることなんてザラ。見積とったけど、なくなった仕事など無数にありました。
ホームページは、打診から納品まで数ヶ月というロングタームで動くのがザラな商売なので、日銭のある商売は羨ましいなぁといつも思ったものです(いまでも思っている)。

来るか来ないかわからない仕事を待っていても、何も良いことはありません。
いろいろな人と知り合っておく必要があります。
もし入れる団体のような組織があれば迷わず入りましょう。
そこで引っ込んでいないで自分を解放し、明るく楽しく振る舞って自分を売り込んでいけば、どんどん人脈が広がっていきます。

最初の三年は「やってやるんだ!」という強い意志と覚悟が必要になるかと思います。

常に名刺を渡せるように持っておきましょう。財布に何枚か常に入れておくように。
それと、自分がどんなことができるか伝えるための制作実績をすぐに見せられるようにしておきましょう。
昔はスマホがなかったので、私は常に作品集をファイリングしたものを持ち歩いていました。
いまはSNSやブログなどを見せたら、それでOKでしょう。

顧客獲得の流れ

じゃあ、フリーランスのクリエイターは小売業や飲食業と商売のベースは違うのかと言うと、実は基本変わらないのです。

見込み客(F0)→新規客(F1)→常連客(F2〜)

という流れは同じです。

見込み客とどうやって接点をもつのかと言うと、たくさんの人と会って自分を売り込むことです。
残念ながら、最初のうちはホームページをたちあげたり、SNSをやっていても誰も仕事を頼んでくれません。なぜなら、わざわざホームページを見に来てくれないからです。

ホームページやSNS経由で仕事が動き出すのは、あなたが社会的信用や評判、競争力を獲得してからです。
もしくはマーケティングにたけて、商品力があって、上手にベネフィットやオファーを使いこなせる達者な仕掛人です。

残念ながら、そんな有能な人などフリーランス初期の人は、ほぼいません。
だから色んなつてを使って、人と会いまくって、直接自分を売り込むという泥臭く古典的な手法を使い倒しましょう。

見込み客を新規客にして、新規客を満足させられたら、常連客になってもらえます。
常連客が増えると、仕事が安定して食えるようになります。

見込み客獲得は未来への投資

とにかく人と接点をもちましょう。ただしお客さんになる人でないと意味がないです。
友達との馴れ合いをしていても、誰も仕事を依頼してくれません。
基本的に見込み客との接点を増やすことが重要です。

頻繁に仕事をやりとりする人とも親交を深めることも大事ですけど、見込み客を増やすために飲食費などは、将来のお客さんを獲得するための投資としてケチケチせず、稼いだお金はジャンジャン人脈開拓に使っていきましょう。

もしあなたが突出した才能を持っていなければ、見込み客を増やすための投資をできるか、できないかでフリーランスを長く続けられるかどうかに左右します。

よくあるダメなケースは

・自分は良いものを作っている
・自分の能力は他の人より高い

などと高飛車に構えてしまうばっかりに、待ちの姿勢になってしまい何もアクションを起こさないことです。
こういうスタンスで待っていても、誰にも気づいてくれないし、もし気づかれても声をかけてすらもらえません。

自分を売り込むこと = 見込み客との接点を持つことです。

目先のお金を追わず信用を得る

フリーランスで仕事がないということは、生きた仕事の人脈ネットワークがないことを意味します。

人脈には、二種類あります。
・ただつながっているだけの人脈
・仕事をやり取りできるくらいの信頼関係のある人脈

たくさん知り合いいるけど、仕事のつながりが全くないより、たった一人しか知り合いがいないけど仕事をしている人の方が良いです。
仕事のやり取りをできるようになるには信用という見えないものが必要になります。
信用があれば、この人に仕事をお願いしよう!となります。

信用を得るには、あなたとの関係だったり、あなたの人間性だったり、過去の実績などさまざまです。
仕事を得るために最も重要なことでありますので、目先のお金を追わないで信用を得ることを最優先しましょう。

たとえお金にならなくても、困っている人の助けになることをする。ギバーになることです。
そうすると、信用の貯金ができます。

お金よりも信用を作りましょう。
ちゃんと信用を築いておけば、いずれ仕事がきます。お客さんとあなたを繋いでくれるのが信用です。

目先のお金ばかり追っていると、信用を失います。
信用は積み上げるのに時間がかかるのに、一瞬で壊れてしまう脆いものでもあります。

仕事をもらえる人

仕事を頼んでくれるかくれないかは、この人に頼みたい!
という強い何かが必要です。

「あの人は身近な人だから頼もう」
「あの人は仕事の評判いいから頼もうか」
「あの人には仕事頼みやすいね」
「あのホームページを作ったあの人に、お願いしたい」
「あの人は面倒くさくないからお願いしよう」
「あの人は人柄がいいからお願いしよう」
「あの人は明るくて元気がよくて誠実だからお願いしよう」
「あの人はあの業界のことを詳しいからお願いしよう」

何らしかの理由があるはずです。
そのためには、あらゆる可能性を高めていかなければなりません。
仕事の力量だけではなく、人格や世間の評判も高めなければなりません。

この人だったら大丈夫、この会社だったら大丈夫。
リスクが小さいうちは、きっと損はしないだろう、みたいなフワフワしたものですが、それも信用です。
動かすお金が大きくなると、より強い確かな信用が必要になってきます。

ちなみに私が目指しているのは、集客できるホームページや宣伝物を作ることです。
それはお客さんに利益をもたらすことで喜んでもらいたいからです。
依頼される前、そう思ってもらえるような存在になろうと努力をしています。

駆け出しの頃は、温かい目で見守ってくれる人もたくさんいて、私も随分と助けてもらいました。
今は頑張っている人に私も恩返しのつもりで、仕事を頼んで応援をすることもあります。
応援してあげたくなる人になるのも大事だと思います。

「仕事さえできれば、他はどうでもいいだろ」
「自分が客に合わせるんじゃなくて、客が自分に合わせればいいだろ」

こんなタイプの人も少なくありません。
人間的に問題のある人と誰も仕事をしたくないのに、問題が多い人だらけという現実です。
私の耳には、いつも「外注先のフリーランスの人が問題が多い人で」といつも聞こえてきます。
入り込む隙がたくさんあるということです。

仕事の能力と人格はどちらか偏ることなく、どちらも高めていきましょう。2つとも信用です。

いわゆるデザイナーやプログラマーなどの仕事は、ほとんどが職人気質の人がなりがちです。
外に目を向けるより、内に目を向けてしまうタイプです。
技術を高めることは素晴らしいことですが、フリーランスとして仕事をする以上、外にも目を向けないと発注してもらう可能性が下がります。
頭を切り替えて、積極的に外へ目を向けること。
自分の殻を破ることができたなら、好転するキッカケを掴んだようなものです。
あとは行動するのみ。

あなたが声をかけられやすい人であれば、仕事じゃなくても何か相談されたりお願いされることが出てきます。
そうしたらお金にならなくても手伝ってあげましょう。
これを積み上げていけば、信用になり、仕事につながっていきます。
面倒くさがらないで、目先の売り上げだけを見ないことです。

しっかり業界にアンテナを貼って、お客さんのために使える技術や知識を常に学んでおくことも重要です。

価値とお金を交換することが商売と最初に書きましたが、価値はひとつではなく、あなたが持っている複合的な価値(スキル、経験、人間性、顧客との相性などなど)となります。

ちなみに自分を客観的にみるのは難しいことですが、それに近い経験を得られるのが外注することです。
外注した時、こういう対応をされると嬉しいとか嫌な気持ちになるとか、またこの人に頼みたい!
という気持ちが芽生えてきます。それが理想の姿となってあなたの中で確立されます。
勉強のためにも誰かに外注することも覚えておきましょう。

そんな感じで、三年くらいやったら20社以上との仕事を常にかかえるようになりました。
大きな何かを掴んだと実感でき自信が芽生えました。
実家の部屋から飛び出し、憧れのオーシャンビューのマンションへ引っ越ししました。
RIDE ON TIME(時の流れに乗る)できたなって嬉しくなったものです。

そして東京の会社の取引先が続々と増えていき、どんどん売上が増えていきました。
自分勝手な理不尽な注文をする問題のあるブラック企業との縁は切り、良質な関係を築ける顧客を増やすことにも成功しました。

懐古すると最初の3年くらいはほぼ休まずに、1日15時間くらいは、仕事に関する技術を学んだり、働いていたかと思います。

どうなるかわからない未来を自分の力で切り開く。
フリーランスをしていると、そんな体験ができます。

ちなみに今ならクラウドソーシングというものがありますが、値下げ競争が激しく仕事の単価が安すぎます。
実績がない時に利用する程度にしておきましょう。

それよりも、自分は何ができるのか?どういう実績があるのかを知ってもらうよう、ブログやFacebookなどでアピールして見込客やリピーターに見てもらうほうが仕事に繋ががります。

デザインというものは受注するまでが大変です。ロングタームな商品です。
ホームページという商品を売る前に、まずは自分を売り込みましょう。
そして、お客様に喜んでもらえるものを作り、誠心誠意取り組めば、また次の仕事につながっていきます。

フリーランスを長く続ける方法

何度も書きますが商売で一番大事なのは、信用です。
お金を追いかけずにお客様からの信用を守っていけば、自ずと結果はついてきます。

  • 納期を守る
  • 品質を高める
  • 嘘はつかない

これは絶対に守りましょう。
どんなに忙しくても私は一度も納期を落としたことはありません。

ただし誰でも失敗や間違いはおこします。
その時、自分の過ちを認めず、他人に責任転嫁するようでは次の仕事はもらえません。
基本的なことですが、ちょっと偉くなると無駄なプライドを張りたくなるのも人間。
そこで、嘘をついて自分を取り繕ってしまうのです。

時には取引先からぞんざいな扱いを受けたり、意地悪なことをされることもありますが、それでも腐らないことです。

そうならないためには、精神性や人格を高めるしかありません。
とはいえ、こればかりは簡単なことではありません。
人間は自分が一番大切なのだから普通は、保身に走りますし、いじけてしまうこともあります。

私は野村克也という人に多大な影響を受けていました。
有名な野村ノートは「弱者が勝つための野球」だけに留まらない内容で、野村克也の本を「人生を生きるための手引書」として何度も読み返したものです。

心が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。
人格が変われば運命が変わる。

野村克也 名言集より

若い頃は、目先の利益欲しさに無駄なことをしたものですが、野村克也の言葉に痺れました。
何ごとも心から変えないと何も変えられません。

本当に良い本とはなかなか巡り会えませんが、良本は人生の師となり得ますので、投資を惜しまないようにしましょう。

私は商売の本質は何かと追求してました。ただお金を循環させるのではなく

お客さんに喜んでもらうこと

と定め、仕事の本質はこれだと心の中心にしていきました。
そうすると良い情報が得られるし、本当に必要なスキルが身につくし、お客さんからもさらに信頼を得ることができました。
信頼されると自信がつき、自分のやってきて有益なことを誰かに伝えることで喜んでもらえました。
昔は自分のことばかりだったのが、人のためにとなり、いつのまにか精神性が高まっていきました。

人格を高めること=信用になります。
人生の師となる人を見つけ、商売の本質に気づけば、おのずと信用は高まることでしょう。

商売の基本、商売十訓についての記事を以前書きましたので、よろしければお読みください。

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近江商人の「商売十訓」を読むべき理由 「商売の基本や基礎って何?」と思っている方は、ぜひお読みください。 私は20年弱フリーランスとして個人で商売していますが、これだけ長く続けられたのは、商売の本質...

何が仕事の本質なのか、いつも自問自答していました。
それは長くやっていくとジワジワと答えがわかってきます。

人間は快楽を求め、苦痛から逃げるのが、世の中のいろんなことの大前提です。
難しいことを考えず、人に快楽を与えたり、苦痛から逃してやること。
そこであなたは誰に何をしてあげられるのか?
そして最終的にマネタイズすることが商売です。

常にマネタイズできなかったとしても、信用が得られたなら、それはいずれ活きてきます。
もちろん、すべてが活きてくるとは限りませんが、何でも経験することが大事です。

バッターボックスに立つ事が重要です。
三振して恥をかくことを恐れすぎるのが、日本人の最大の弱点です。
何もやらないでいると得るものがない。
それくらいなら恥をかきましょう。

困った時は商売の基本に戻ろう

3年目以降も順調に仕事の依頼はきましたが、何度も業界の大きな波に襲われました。

  • Flash廃止
  • CMSの台頭
  • SEO問題
  • SNSの登場
  • リーマンショックによる仕事激減
  • 新型コロナ騒動による仕事激減

ずいぶんと仕事の打ち切りを経験したものです。

フリーランスのウェブデザイナーは、WEB制作全般のことにある程度精通していなければならず、たくさんの重大な課題をかかえて生きてきました。それ以外にも、社会全体の大きな問題に巻き込まれました。

それでも何とか生きてこれたのは、前を向いて諦めずにやってきたからです。

FLASHがなくなったら他の仕事伸ばせばいい
CMSが出てきたら使いこなせばいい
SEOだってノウハウを身につければいい
SNSだってフォロワー増やす方法がわかればいい
仕事激減したら、新しい取引先を探せばいい

すべて乗り切ってきました。

商売の基本は、お客様を喜んでもらうことです。
それを自分が実現するには、

商品力・技術力・経験・知識

を高めること。
それと自分の存在を知ってもらうために

見込み客と接点をもって新規客になってもらう

新規客からリピーターになってもらうには、自分の人格やお客様との相性や仕事っぷりです。

新規客になってくれたけど、リピーターにならなかったお客様もたくさんいました。
リピーターになったけど、取引が終わってしまうお客様もたくさんいました。

それでも、仕事を続けていくには食べていくには常に見込み客を見つけ、同時にリピーターとの関係を良好に保つ
たったそれだけです。

待っていても仕事はきません。

私のように人と会うこと以外にも、ホームページやSNS、広告など手法はいろいろありますが、見込み客が仕事を頼んでくる流れを意識して構築しましょう。

ちなみに、この業界だと人からの紹介が一番大きいです。
そのためには誰かに紹介されるような人でありつづけなければなりません。

投資をする

投資といっても株式投資のことではありません。

あなたの事業のための事業投資です。
で、具体的に何をすればいいのかというと、ここでもお客さんに喜んでもらえることです。

お客さんに喜んでもらうことが投資だと考えたら、よりよいサービスの開発であったり、よいツールを探すためのリサーチだったりさまざま。
自分の能力を高めることは立派な自己投資ですが、それはお客さんのためになることなのかも考えてみましょう。

もし、お客さんに喜んでもらえたなら信用が高まり、結果的に自分の価値が向上することになります。
自分の将来のための蓄財も大事ですが、事業投資も積極的にしないと、変化の激しいこの業界についていけません。

最強の投資は自己投資です。自分のスキルを高めることで自分の価値を高め、それがお客さんの役にたてばマネタイズできます。

まとめ

これが20年生き残ったフリーランスのリアルな現実です。

生き延びていくためにやったことを、まとめるとこんな感じ。

・自分の商品価値を高める
・信用を高める
・見込客との接点を増やす

デザインって、マーケットとの接点を持つことだったり、価値の評価が曖昧なんで売るのが難しい世界です。
そこに自分なりの能力やノウハウで食い込んでいけるか。

同業で長く活躍してる人は、それを確立できています。成功手法は人それぞれです。

私が独立した当時は、ウェブ制作つまりIT業界という時代の大きな流れに乗れたので、仕事を得やすかった。
運に恵まれましたが、それでも同じ業界でフリーランスになったけど、腕があるけど辞めて会社員へ戻ってしまう人をたくさん見てきました。
そういう人たちには共通点があります。

権威濃すぎ(ケンイコスギ)になるな

途中で挫折してしまう人の最大の特徴は、

技術やセンスが高ければ良い

という驕りであり、タカピーになって勘違いをしてしまっていることにあります。
高飛車というか、権威濃すぎ(ケンイコスギ)な人のことです。
商売とはお客さまを喜ばすことにあるという原則に則っていません。

仕事の目的は自分のお金稼ぎではなく、お客さんのためにやるものです。
お金は、人のためにやって最後にもらえる結果です。
目的と結果を履き違えないように。

お金が目的になると、お客さんとの接し方に必ず表面化してしまいます。

権威濃すぎについて、もっと知りたい方は、みうらじゅん氏の「ない仕事の作り方」を読んでみてください。
いままで読んでビジネス書のなかで、もっとも実になった本です。フリーランスとして生きていく参考になると思います。

ちなみに忙しすぎると心の余裕がなくなります。
そうならないよう、目一杯スケジュールを埋めず、多少の余白を残しておくのも長く続けるコツです。

困難や怒りがあなたを成長させてくれる

フリーランスを長く続けていくことは、それほど難しいことでもありませんが、誰でも大変な時期は何度もあり、それでも乗り越えるかどうかはあなた次第です。

そして困難は人を成長されてくれますので、逃げずに向き合いましょう。
そうすれば、経験した人にしか得られない大きなが何かが得られます。
お金では買えない経験です。

ときには、怒って憤ることもあるでしょう。
しかし、良くも悪くも最もパワーを生むのは怒りの感情です。
怒りのエネルギー利用して、あなたの力になることに向けてやれば、あなた自身の爆発的な成長につながるでしょう。
とくに開業したての頃は、誰にも相手にされないし、陰で悪口を言われたりするものです。
自分のことを馬鹿にした誰かだったり、理不尽に取引を打ち切られた会社だったり、そういう人らに対して最大の仕返しは、喧嘩して打ち負かすことではなく、あなた自身の成長や成功なのです。

もし私の経験談が、少しでも参考になったのであれば嬉しいです。
覚悟を決めて、やることをしっかりやってりゃ結果は自然とついてきます。

私は何とか自力で人脈を開拓していきましたが、最初からスムーズに仕事を獲得するのは難しい。
仕事がとれない場合は営業会社に仲介してもらうとか、開業する前に使える人脈をたくさん作っておくことをオススメします。

…こんな面倒臭いことしなくても、xhoursなら会員登録でエージェントからのスカウトが届きます。
腕に自信のある方は、挑戦してみるとよいでしょう。
苦労して自力で営業しなくて、チャンスはあります。

「ITフリーランスは、やめとけ」と言われますが、私がやってきたことは古い方法です。
技術力があれば営業力を補うサービスを利用するとよいでしょう。

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